経験を重ねた中堅看護師は、仕事に余裕がでてきたり、責任ある仕事を任される機会が増えます。自身の成長を感じる一方で、将来のキャリア選択やキャリアプランに悩む人も多いといわれています。
手術室看護師の場合は、キャリアについて病棟看護師とは異なる手術室特有の悩みがあるようです。
手術室看護師のキャリアに関する悩みやキャリアプラン、キャリアアップの事例を解説します。
手術室看護師は手術に関わる専門的な看護を身に付けています。
そのため、病棟看護師に比べて院内の配置転換の機会は少なく、ずっと「手術室」で看護師のキャリアを積み重ねるケースが多くみられます。
手術室の中堅看護師は、手術室看護師として専門性の高いキャリアがある一方で、“看護師”としてのキャリアに悩むことがあるようです。
手術室の中堅看護師は、大きな外科手術の業務はもちろん、リーダー業務や後輩育成など、責任ある業務を多く任されています。
手術に関する看護業務は余裕でこなせても、管理業務や育成指導には時間や労力がかかります。
そのため、多忙な日々の中で、落ち着いて自分のキャリアについて考えることができない状況があるようです。
手術室は他の看護領域と比べて特殊なため、手術室看護師にとってのロールモデルは同じ「手術室看護師」がよいでしょう。
しかし、手術室の中堅看護師の場合、徐々に先輩が退職していき、身近にロールモデルとなる先輩が少なくなり、キャリアを描きにくくなるようです。
手術室看護師のなかには、手術室の経験しかない看護師も多くいます。
そのため、手術室以外で働くことへの不安があり、キャリアチェンジすることに躊躇してしまうことがあるようです。
手術室の中堅看護師は、身近にロールモデルが少ないことも多く、手術室看護師のキャリアの選択について気になることもあると思います。
手術室看護師の代表的な3つのキャリアプランと資格を紹介します。
手術室看護師のジェネラリストとは、手術室看護師として“現場”の幅広い看護に対応できる看護師のことです。
具体的には、全ての手術に対応でき、医師や他の医療スタッフと連携して手術をスムーズに進行できる、手術業務だけでなく幅広い手術室看護師の役割を行なうことができる看護師です。
◆ 手術看護実践指導看護師
「手術室看護実践指導看護師」認定は、日本手術看護学会が認定する資格です。
手術看護の質向上や実践力の向上、チーム指導の役割を担う看護師を認定し、手術室看護師としての実践力を証明するものです。
後輩育成にやりがいを感じているジェネラリストの場合は、キャリアアップのひとつとして「手術看護実践指導看護師」の資格を取得し、より現場の育成指導に活かしていくと良いのではないでしょうか。
手術室看護師のスペシャリストとは、手術看護分野に関する深い知識、技術、経験をもつ看護師のことです。
手術室看護師のスペシャリストとしてのキャリアには、次の3つがあります。
◆ 手術看護認定看護師
手術看護認定看護師とは、日本看護協会が認定した、手術に特化した専門知識と技術を持つ看護師のことです。
手術看護認定看護師は、手術室での看護実践を通じて、スタッフ指導から術中・術後ケア方法や物品、環境改善の提案、評価などを行ないます。
手術看護が好きで、“現場”の看護をしながら、手術看護をよりよくする活動をしていきたいと考えているのであれば、手術看護認定看護師の認定を取得するとよいでしょう。
◆ 診療看護師
診療看護師(Nurse Practitioner:NP)とは、診療チームの一員として、医師や多職種と連携・協働し、指導医のもとで診療全般に関わる看護師です。
病院によって手術室では麻酔科や外科に配属された診療看護師が活躍しています。
麻酔科配属のNPは、麻酔科指導医・専門医の指導のもと、主に術中の全身麻酔管理の補助業務と術後疼痛管理を行っています。
術後疼痛では、医師や薬剤師と連携して、術後ケアなどの活動もあります。
外科配属のNPは、手術助手や早期回復を目的とした周術期管理を行っています。
手術看護師のキャリアを活かして、より周術期の治療やケアに関わりたいのであれば、診療看護師になる選択もよいのではないでしょうか。
◆ 特定行為看護師
特定行為看護師とは医師の指示のもと、手順書に基づき、一定の特定行為(診療補助業務)を実施できる看護師のことです。
特定行為には呼吸器、循環器、栄養など21区分38行為に及ぶ幅広い範囲があります。
厚生労働省が指定する施設で、研修を受講し、修了試験に合格する必要がありますが、修了する区分によって専門性もさまざまです。
病院の手術室によっては、麻酔科領域の特定行為研修を修了した看護師が、麻酔担当医と協力し術中の麻酔管理業務(気管挿管後の麻酔器の設定変更など)や手術前後の訪問も行なっています。
手術室の特定看護師は、医師と連携しながら診療補助と看護師業務のサポートを行ないます。
手術室看護師として看護業務のスキルを高めたいと考えているなら、手術室に関わる領域の特定行為看護師を目指すとよいでしょう。
看護師のキャリアプランにおけるマネジメント(看護管理職)は、一般的に看護部長や師長などの組織の運営、管理を行なう看護師のことを指します。
◆ 主任、師長、部長
◆ 認定看護管理者
病院ごとに看護教育体制は異なりますが、管理職研修や試験を受けたり、所属管理者の推薦や実績の評価により管理職になることができます。
また、師長以上の管理職を目指すときには、「認定看護管理者*」の資格を取得していると昇任の評価が得られやすいといわれています。
(*認定看護管理者とは、日本看護協会の認定看護管理教育の教育過程を受講し、審査に合格した看護師が認定される資格です)
今までの経験のなかで、業務改善やマネジメントにやりがいや興味があるなら、管理者を目指すとよいでしょう。
さまざまなキャリアプランがあるなかで、手術室経験やスキルを活かし、キャリアアップした手術室看護師がたくさんいます。
手術室看護師たちの事例を紹介します。
◆ 手術看護認定看護師
◆ ICUへ異動
◆ 大規模な病院へ転職
手術室の中堅看護師は、キャリアアップしたいと思っていても、業務の多忙さやロールモデルが少なくなるなどの環境により、キャリアプランを描きにくいことがあるようです。
手術室看護師のキャリアプランにはさまざまな選択肢があります。
キャリアップのための資格取得などは、時間やコストがかかるため、準備期間も必要です。
また、希望のキャリアアップが実現できる環境かどうかも重要になります。
今回紹介した、手術室看護師のキャリアプランやキャリアアップ事例を参考に、自分に合うキャリアップの方法をみつけて、実現に向けて行動してみてはいかがでしょうか。
最後に、キャリアアップしたい手術室看護師におすすめの「スーパーナース社員看護師【Bloom Ns】」の仕事を紹介します。
Bloom Nsの社員看護師には、オペ室の看護業務と会社の事業開発に関わる仕事があり、病院正職員とは違うオペ室での働き方でキャリアアップができます。
病院の手術室に勤務し、手術室看護業務を行います。
病院勤務では委員会や係の仕事はなく、好きな手術室看護の仕事に専念できます。
また、夜勤とオンコールもありません。
日勤のみで働くことができるので、ワークライフバランスも充実できます。
手術室が好きで、手術室の看護業務だけしたい方におすすめです!
1つの病院に固定されることなく、いくつかの手術室で経験ができます。
手術室が好きで、いろいろな病院の手術室で働いてみたい方におすすめです。