手術室看護師の転職あるある 「キャリア」の悩み
手術室看護師のキャリアプランやキャリアアップ事例を解説します
経験を重ねた中堅看護師は、仕事に余裕がでてきたり、責任ある仕事を任される機会が増えます。自身の成長を感じる一方で、将来のキャリア選択やキャリアプランに悩む人も多いといわれています。
手術室看護師の場合は、キャリアについて病棟看護師とは異なる手術室特有の悩みがあるようです。
手術室看護師のキャリアに関する悩みやキャリアプラン、キャリアアップの事例を解説します。
目次
手術室看護師のキャリアに関する悩み
手術室看護師は手術に関わる専門的な看護を身に付けています。
そのため、病棟看護師に比べて院内の配置転換の機会は少なく、ずっと「手術室」で看護師のキャリアを積み重ねるケースが多くみられます。
手術室の中堅看護師は、手術室看護師として専門性の高いキャリアがある一方で、“看護師”としてのキャリアに悩むことがあるようです。
求められる業務や役割が増え、キャリアについて考える時間がない
手術室の中堅看護師は、大きな外科手術の業務はもちろん、リーダー業務や後輩育成など、責任ある業務を多く任されています。
手術に関する看護業務は余裕でこなせても、管理業務や育成指導には時間や労力がかかります。
そのため、多忙な日々の中で、落ち着いて自分のキャリアについて考えることができない状況があるようです。

30代看護師
手術室は特殊な分野なので、なかなか看護師が補充されずいつも人手不足です。
管理や育成を担当できる看護師も限られているので、中堅看護師たちは手術業務に加えて、複数の業務を担当しています。
私は教育を4年連続で担当しています。
手術室の教育は数年かけたプランになっていますし、数名の後輩を担当していて、自立するまでずっと忙しいです。
手術室看護が好きなので、他の環境でキャリアアップをしてみたいと思いつつも、現実的に考える余裕がありません。
ロールモデルになる先輩が少ない
手術室は他の看護領域と比べて特殊なため、手術室看護師にとってのロールモデルは同じ「手術室看護師」がよいでしょう。
しかし、手術室の中堅看護師の場合、徐々に先輩が退職していき、身近にロールモデルとなる先輩が少なくなり、キャリアを描きにくくなるようです。

30代看護師
私の職場のオペ室看護師は、新人からオペ室で勤務している20~30代の看護師がほとんどです。
新人のころは、目標となる先輩たちがたくさんいましたが、徐々に退職されて居なくなってしまいました。
外部から手術室看護のベテラン看護師が入ってくることは滅多にないので、今では師長や主任、ママさんナースなど先輩は数人しかいません。
手術室看護師として、キャリアアップしていきたいですが、手術室看護師の資格など興味があっても、身近に相談できる先輩がいないので悩んでいます。
手術室看護以外へのキャリアチェンジに不安がある
手術室看護師のなかには、手術室の経験しかない看護師も多くいます。
そのため、手術室以外で働くことへの不安があり、キャリアチェンジすることに躊躇してしまうことがあるようです。

30代看護師
看護師20年のキャリアがありますが、ずっと手術室なので、手術室以外で働くことに不安があります。
今から病棟のことを新しく覚えることや慣れない夜勤をやるのは難しいと思ってます。
師長から管理職になることを薦められたりしますが、オペ室が好きですし、オペ室看護からのキャリア転向はあまり考えられず…今後のキャリアについて悩んでいます。
手術室看護師のキャリアプラン
手術室の中堅看護師は、身近にロールモデルが少ないことも多く、手術室看護師のキャリアの選択について気になることもあると思います。
手術室看護師の代表的な3つのキャリアプランと資格を紹介します。
ジェネラリスト
手術室看護師のジェネラリストとは、手術室看護師として“現場”の幅広い看護に対応できる看護師のことです。
具体的には、全ての手術に対応でき、医師や他の医療スタッフと連携して手術をスムーズに進行できる、手術業務だけでなく幅広い手術室看護師の役割を行なうことができる看護師です。
◆ 手術看護実践指導看護師
「手術室看護実践指導看護師」認定は、日本手術看護学会が認定する資格です。
手術看護の質向上や実践力の向上、チーム指導の役割を担う看護師を認定し、手術室看護師としての実践力を証明するものです。
後輩育成にやりがいを感じているジェネラリストの場合は、キャリアアップのひとつとして「手術看護実践指導看護師」の資格を取得し、より現場の育成指導に活かしていくと良いのではないでしょうか。
スペシャリスト / 資格取得
手術室看護師のスペシャリストとは、手術看護分野に関する深い知識、技術、経験をもつ看護師のことです。
手術室看護師のスペシャリストとしてのキャリアには、次の3つがあります。
◆ 手術看護認定看護師
手術看護認定看護師とは、日本看護協会が認定した、手術に特化した専門知識と技術を持つ看護師のことです。
手術看護認定看護師は、手術室での看護実践を通じて、スタッフ指導から術中・術後ケア方法や物品、環境改善の提案、評価などを行ないます。
手術看護が好きで、“現場”の看護をしながら、手術看護をよりよくする活動をしていきたいと考えているのであれば、手術看護認定看護師の認定を取得するとよいでしょう。
◆ 診療看護師
診療看護師(Nurse Practitioner:NP)とは、診療チームの一員として、医師や多職種と連携・協働し、指導医のもとで診療全般に関わる看護師です。
病院によって手術室では麻酔科や外科に配属された診療看護師が活躍しています。
麻酔科配属のNPは、麻酔科指導医・専門医の指導のもと、主に術中の全身麻酔管理の補助業務と術後疼痛管理を行っています。
術後疼痛では、医師や薬剤師と連携して、術後ケアなどの活動もあります。
外科配属のNPは、手術助手や早期回復を目的とした周術期管理を行っています。
手術看護師のキャリアを活かして、より周術期の治療やケアに関わりたいのであれば、診療看護師になる選択もよいのではないでしょうか。
◆ 特定行為看護師
特定行為看護師とは医師の指示のもと、手順書に基づき、一定の特定行為(診療補助業務)を実施できる看護師のことです。
特定行為には呼吸器、循環器、栄養など21区分38行為に及ぶ幅広い範囲があります。
厚生労働省が指定する施設で、研修を受講し、修了試験に合格する必要がありますが、修了する区分によって専門性もさまざまです。
病院の手術室によっては、麻酔科領域の特定行為研修を修了した看護師が、麻酔担当医と協力し術中の麻酔管理業務(気管挿管後の麻酔器の設定変更など)や手術前後の訪問も行なっています。
手術室の特定看護師は、医師と連携しながら診療補助と看護師業務のサポートを行ないます。
手術室看護師として看護業務のスキルを高めたいと考えているなら、手術室に関わる領域の特定行為看護師を目指すとよいでしょう。
マネジメント(看護管理職)
看護師のキャリアプランにおけるマネジメント(看護管理職)は、一般的に看護部長や師長などの組織の運営、管理を行なう看護師のことを指します。
◆ 主任、師長、部長
◆ 認定看護管理者
病院ごとに看護教育体制は異なりますが、管理職研修や試験を受けたり、所属管理者の推薦や実績の評価により管理職になることができます。
また、師長以上の管理職を目指すときには、「認定看護管理者*」の資格を取得していると昇任の評価が得られやすいといわれています。
(*認定看護管理者とは、日本看護協会の認定看護管理教育の教育過程を受講し、審査に合格した看護師が認定される資格です)
今までの経験のなかで、業務改善やマネジメントにやりがいや興味があるなら、管理者を目指すとよいでしょう。
手術室看護師のキャリアアップ事例
さまざまなキャリアプランがあるなかで、手術室経験やスキルを活かし、キャリアアップした手術室看護師がたくさんいます。
手術室看護師たちの事例を紹介します。
病院内でのキャリアアップ
◆ 手術看護認定看護師

40代看護師
私は新卒からオペ室で勤務していて、手術室歴22年目です。手術看護が好きで、もっと手術看護を極めたいと思い、20年目のときに手術認定看護師の資格を取得しました。
認定取得のための教育過程や試験は大変でしたが、オペ看護師の仲間と出会えたり、改めて手術看護を勉強できたことはとても良い経験になりました。
資格取得のための期間は、手術室勤務ができないので、欠員になります。資格取得への理解と現場を支えてくれた師長や後輩たちにとても感謝しています。
今は、手術看護認定看護師として手術看護業務のサポートや指導に携わっています。
ずっと好きな手術看護を続けていきます!
◆ ICUへ異動

30代看護師
手術室看護師10年目のときに、キャリアアップのためにICUへ異動しました。
ICUでは術後の管理や回復をサポ―トするので、手術を受けた患者さんの経過をみることができて、とてもやりがいがあります。
処置の介助など、手術室経験を活かせる業務もあるし、ケアやアセスメント力も習得できるので、ICUに異動をしてよかったです。
今後は救外なども経験したり、ジェネラリストを目指したいと思っています。
転職でのキャリアアップ
◆ 大規模な病院へ転職

30代看護師
前職の手術室には、手術看護認定看護師はおらず、病院全体で資格取得などのキャリアアップ支援の制度があまり整っていませんでした。
手術室看護師として、資格をとってキャリアアップしていきたかったので、支援制度がある病院に転職しました。
認定看護師が多く活躍している病院で、手術看護認定看護師の先輩にも出会えました。
今はまず現場の手術看護を習得中ですが、先輩にキャリアの相談をしながら、認定資格を取得するための計画を立てています。
将来的にキャリアアップしていける環境を選ぶことは大切だと思います!
まとめ
手術室の中堅看護師は、キャリアアップしたいと思っていても、業務の多忙さやロールモデルが少なくなるなどの環境により、キャリアプランを描きにくいことがあるようです。
手術室看護師のキャリアプランにはさまざまな選択肢があります。
キャリアップのための資格取得などは、時間やコストがかかるため、準備期間も必要です。
また、希望のキャリアアップが実現できる環境かどうかも重要になります。
今回紹介した、手術室看護師のキャリアプランやキャリアアップ事例を参考に、自分に合うキャリアップの方法をみつけて、実現に向けて行動してみてはいかがでしょうか。
~ 手術室看護師におすすめの働き方をご紹介!~
最後に、キャリアアップしたい手術室看護師におすすめの「スーパーナース社員看護師【Bloom Ns】」の仕事を紹介します。
手術室看護師へのおすすめポイント
Bloom Nsの社員看護師には、オペ室の看護業務と会社の事業開発に関わる仕事があり、病院正職員とは違うオペ室での働き方でキャリアアップができます。
・病院「手術室」勤務で、委員会や係の仕事なし
病院の手術室に勤務し、手術室看護業務を行います。
病院勤務では委員会や係の仕事はなく、好きな手術室看護の仕事に専念できます。
また、夜勤とオンコールもありません。
日勤のみで働くことができるので、ワークライフバランスも充実できます。
手術室が好きで、手術室の看護業務だけしたい方におすすめです!
・一定の期間ごとに手術件数の多い様々な病院の手術室で働くことができる
1つの病院に固定されることなく、いくつかの手術室で経験ができます。
手術室が好きで、いろいろな病院の手術室で働いてみたい方におすすめです。
こんな看護師におすすめ!
手術室で働く社員看護師がおすすめの人
・オペ室で働きたい
・手術室の経験、スキルを積み重ねていきたい
・委員会や係の仕事はしたくない
・手術室のキャリアを活かして働きたい
・夜勤、オンコール対応はせずに働きたい
・固定休でプライベートも充実させたい
「スーパーナース社員看護師【Bloom Ns】」の手術室看護師は、
契約先病院の手術室で働きます。
人手不足で困っている病院へナースとして応援にいくイメージです。
主なお仕事は、病院手術室の看護業務ですが、事業開発に関わる業務もあり、
手術室経験、知見を活かした新しい働き方ができます。
病院に転職しなくても病院の手術室で働くことができ、看護業務以外(委員会など)の活動はありません。
病院正職員とは違う働き方で、キャリアアップできます。
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